実は99年度のジュニア算数オリンピックには、少し前に2問ほどあったような、制約ですら無いような問題がかなり出てくる。そのあと数年は、おそらく単に偶然だろうが、そういう問題の数が少なくなる。それらについての考察を書く前に、ユークリッド幾何学についてメモを残しておきたい。
この研究のテーマの1つに、ユークリッド幾何学を論理的に定式化する、というのがある。ユークリッド幾何学において、線とはある方向への存在で、円とは同じ距離における存在で、他の点はその2つが重なり合った所にある。
方向を円リストとその中の普通のリストの階層で表し、距離を仮に数値で表すとして、他の特徴としては
というのがあって、おそらくこれらでグラフのエッジ(グラフの絵における線)を主人公にしたような論理展開を可能にしたような体系なんじゃないか、というのが現在の仮説だ。
ユークリッド幾何学は最初の定義と公理と公準以外は、ほとんどそれの言語的な組み合わせで展開していくので(三角形の内側の角度だとかもそれではじき出される)、最初のそれらすら論理的に定式化できれば何とかなるだろうと思っている。
※4、5、6、9は後から追加されたらしい。
幾何学以外の分析が一通り終わった後に、ネットから既にあるユークリッド幾何学のこれらの前提から定理を弾き出すプログラムを探してきて、一部弾け出せないらしいんで、それまで蓄積した知見やこの考察を利用して弾け出せるようにできれば、とりあえずこの研究は一段落したと言えるだろう。
ユークリッドの原論は、まず目的を示して、前提からその目的への手順を示す、という形式になっている。問題はなぜその目的なのかということで、おそらくユークリッドの原論においては、次の道具になるという理由でその目的が選ばれている。操作自体は子供が三角形で絵を描いたりするみたいにいくらでもあり得る。例えば第一の定理は、1つの線から同じ長さの3辺を持つ三角形の作図なのだが、これは作図すれば良いだけなら適当に点を打って普通の三角形を作図しても良いわけだ(二等辺三角形は作図できるんだろうか)。そうなっていないのはそれではこれからの道具として使えないからだ。