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ジュニア算数オリンピック 二次元上のユークリッド幾何の問題 その1

【随時更新】ユークリッド幾何学の定理や作図まとめ - ニート歴10年からの数学日記 を機械的に適用して、解答に至れるかを探る。9月までの方法は全く使わない。定理による確認→(もし発見があれば定理による確認を繰り返し続ける)→作図を1手分で全て試して2通りの意味があるものを発見する→(発見できなければ2手3手と増やしていく)→また定理による確認に戻る、というような手順で行く。
 

 

02年度ファイナル問題 問題7

『AB=11cm、AC=9cmの三角形ABCがあります。
まず、辺BC上に、角BHA=90°となるような点Hをとります。
次に、辺BC上に、角BAD=60°となるような点DをHとCの間にとります。すると、角DACの大きさは角HADの大きさの2倍になったそうです。
このとき、BHの長さはCHの長さの何倍でしょうか。


ではまず、並行の同位角を確認する。何が平行かは線を新しく入れる時に予め確認しているものとする。しかしそもそも並行が無かった。
錯角の確認も同じくスルー。

内角を確認する。三角形は組み合わせも含めて6個。60°と直角の三角形は違うので、これも明らかにならない。
外角は存在しない。

6個の三角形について、二辺の長さが同じじゃないか確認していく。一つの三角形辺りに3回なので、18回確認。
同じく二角を確認していく。同じように18回の確認。まだ分からない。
二等辺三角形は無い。

6個の三角形について、合同条件を探っていく。1個確認するたびに、確認する必要がある三角形は減っていくので、5→4→3→2→1、回確認する必要がある。15回三角形の対を確認する必要がある。
一辺とそれを挟む角は、1つの三角形に3個、2つの三角形の対だと9回。9×15=135回確認する必要がある。
いや、とりあえず同じ辺だけ探すかな。辺をリストに入れて、整列して、それから隣合ったのを探すという感じで。で、同じ長さの辺は無いので、3つともスルーできる。

実はこの問題、「面積比と底辺比の関係」を使うんだよね。問題自体をスルーすべきだったかな。面積はまだ分からないし、辺も長さが分かっているもので同じ辺を共有しているものは無い。


続いて作図。これは定理と違って平行に処理して、後から一石二鳥になるものというか、つまり同じ結果になるものを採用する。

この図は、全ての点がもう既に結ばれている。

線の共有って何だろう。いや自分で書いたんだけども。
「角を合計180度にして線」っていうのも、それ単体の作図というより、ポイントみたいなものなのかな。
後から修正しておこう。

「同じ三角形」の作図。三角形は6通りあって、しかしこれはどうするかな。いつか、全く関係無い辺の上に作図して、意味があるということがあるまでは、同じ辺の上に重ね合わせるように作図すれば良いと思うけど。
まず1つずつの三角形で、左の三角形が2通り、真ん中が1通り、右が2通り。
2つずつの三角形で、右左それぞれ2通り。
全体の三角形で、3通り。
合計で10通り。

辺は全部で、重なり合っているものも含めて10本ある。それぞれにおいて一周どこでも二等辺三角形が作れてしまう。これは参ったな。
一石二鳥ということで、後から二等辺三角形になっているかを確認して、ポイントとして考えるというのもアリだな。同じくポイントである「線の共有」や「角を合計180度にして線」とも競合しないし。とりあえず問題が起こるまではそれで行ってみようか。

外側の8辺に正三角形、正四角形、正五角形を作ってみる。
それでも、他の「線の作図」や「同じ三角形の作図」と、結果が被ることは無い。


そこで2ステップの作図に入る。
元々は、線の作図は全部の点が結ばれていて0通りで、同じ三角形の作図が10通り(後で気付いたが間違い、しかも多分間違いとしても間違いだった)で、正三角形が8通り、正四角形が8通り、正五角形が8通りで、合計34通りだった。

外側の辺に合わせてそれらの三角形を作ってみると、外側の辺は1つ増えたり、しかし図の底辺などは組み合わせが妨げられて減ったりする。三角形だけに着目すると、大体は34*34=1156通りぐらいだろう。
しかし、線も考えると、頂点が増えるので、三角形だったら3通り増えるし、四角形だったら6通り、正五角形なら9通り増える。18*3 + 8*6 + 8*9 = 174。よってこの問題においては合計、1156 + 174 = 1330通り試すことになる。

1つ目の同じ三角形は、どこでも良いんだが、だから大体37通り試すことになるだろう。

いや、ちょっと定理で辺の長さを調べたみたいに、圧縮しないと話にならないな。人間の思考的には、正三角形とかを外側の辺に作図するなんてことは考えないはずで、これらもポイントとして考えて良いかもしれない。正三角形を作図することで打開する、という問題が無いか、休憩してから確かめてくるか。一旦休憩(二回目)。


休憩して調べてまた休憩。調べて分かったが、二点を共有し、更に辺上にもう一点を取る二等辺三角形の作図があった。あと、線の延長があった。
まあ考えてみれば2点を使っただけでは意味が薄いだろうし、必要になるまでは、二点と辺で二等辺三角形を探すことにする。それが同時に正三角形も兼ねてしまうんじゃないか。
線の延長は、つまり線分ABの長さと同じだけ、そのままの方向に伸ばす、という操作で、点と点を結ぶ以外にそういうのも必要になるのか、という感じだ。
普遍性が必要なので、それ以外の操作が必要な問題に出会ったら拡張するが、出会うまでは最小限で行きたい。
つまり、点と点を結ぶ、点と点の一方から線を同じだけ延長する、2点から別の辺上に二等辺三角形を作る、という3つが点に関する作図で、同じ三角形を作るというのが三角形に関する作図で、合わせて4種類ということになる。
ちょっとご飯を食べた後だし、早めに切り上げて休憩するか。


問題に戻ると、まず点は全て結ばれている。
延長できる線は、三角形の三辺で6通りと、2つの組み合わせを外側へ2通りと、底辺の3つの内の2つを外側へ、で合わせて10通り。
二等辺三角形は、その2点の辺の中心を垂直に横切る線を考えて、その線と重なったものが該当する。線分ABは1つ、(BCは1つ、だが必要な問題が出てくるまでは、追加する一辺が他の線を横切るものは外そう)、ACが1つ、(BDとHCは外すとして)、BH、HD、DCが1つずつ。合わせて5通り。
で同じ三角形が、っていや待てよ、少し前に書いた10通りだったかは間違っていて(しかも多分間違いとしても間違っていて)、左斜めの辺に3通り、右斜めの辺に3通り、下方向にバラバラに3通りと、2つ組が2通りと、3つ組が1通りで、合計12通りだった。
つまり1ステップ目の作図は、10+5+12=27通りある。

そして2ステップ目について考えると、伸ばした辺については、その別の点と他の点を繋ぐぐらいしかやることは無いか。1通り辺りで他に3つ点があるので、10*3=30通りかな。
二等辺三角形の5通りは、できた新しい点と繋ぐので2通りぐらい、延長が1通り、更に新しく二等辺三角形を作るのが2通りぐらい、同じ長さの辺が少ないから新しい三角形は2通りぐらいだろうか。合計7通りなので、5*7=35通り。
新しい三角形はやっかいだな。左斜め上の辺に作るのが、例えば全体をもう一つ作ると、線を引くだけで9通り、延長を作るので、ってもう分からん。

ステップ自体は人間も問題を解く時にやっていることだと思うんだが、点と点を結んでみたり、線を延長して他の点と結んでみたり、二等辺三角形を作ってみたり、同じ図形を反転させてみたり(更には同じ長さの辺があれば移してみたり)、ああでもないこうでもないと頭の中で、しかしこんなに複雑なのか?
いや確かにコンピューターなら、これぐらいの通り数なら何とかなる、というか余裕ではあるんだが、ここまで複雑なもんかね。
一つ仮説としてあるのは、定理で新しく発見できるように逆算して作図するというもので、そっちの線も考えてみるか。
休憩。今日はこの考察だけで良い。


休憩終わり。いや無いな。逆算してるかのような問題もあるが、例えばこの問題を解く時には、おそらく人間は逆算しているとは言い難いはず。問題の新しい三角形の作図でそうなのだから、普遍性ということを考えると、逆算の線は無いのではないか。

人間の思考をエミュレートしたらこうなるならば、仕方ないのではないか。問題は自分がどう考えているかで、それをそのままやれば良い。

一つ言えるのは、元々のものだけで完結する作図は、2ステップ目には必要無い。更に複雑になってくると、元々ので加工して、新しいのでも加工して、その二つをつなぎ合わせるような作図も必要になってくるかもしれないが、それでも、その法則は言えるのではないか。


疲れたので答えを書くと、左斜め上の辺にABHを反転させるように配置し、その上に更に反転させてABHを配置する。
すると、∠BAH2個と○○が合わさって、120°になって、その集まりが全部で180°になる。縦の辺も、90°と90°で180°になり、大きな三角形ができる。つまり、同じ三角形で、直線二つと、大きな三角形を作図できている。一石何鳥かは知らないが、その重ね合わせにより、ただの作図では無く、何かを弾き出すことができる作図になる。
底辺と面積比の法則で、新しい部分と元々の面積の比は11:9。その1つ1つを11とすれば、22:18。そこから三角形AHCは7だと分かって、同じ法則で、BHの長さはCHの11/7だと分かる。