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ジュニア算数オリンピック 二次元上のユークリッド幾何の問題 その11

【随時更新】ユークリッド幾何学の定理や作図まとめ - ニート歴10年からの数学日記 を機械的に適用して、解答に至れるかを探る。分かりやすくするために、段階に分けて名前を付けることにした。その段階という区切りで繰り返したりするんで。
 

 

06年度トライアル問題 問題9

『図の四角形ABCDはAB=BC=CDで、角B=168度、角C=108度です。角Dの大きさを求めなさい。

セットアップ

三角形を探して、角や辺のイコールを探して、それらを統合する。三角形定理ループに備える。


点に着目して三角形を探す。繋がっている点からも別の繋がっている点に繋がっていたら、三角形。

着目した点。繋がっている点。 見つかった三角形。
A。B、D。
B。C。
C。D。
D。


問題文のイコールを記述する。

イコールの辺。
AB、BC、CD。

対頂角も平行線の同位角や錯角も無し。

side := [
 0 : [AB, BC, CD]
]


普段だったら三角形のリストとイコールのリストを統合する所だが、三角形のリストは無し。
三角形定理ループも、角や辺の和も無いんで、もうさっさと作図の段階に入る。

作図

以下4種類の作図をしていく。直接作図したもの以外に三角形や、あるいは正四角形や正五角形ができていたら、次の定理ループで角度が明らかになる可能性がある。


じゃあ、点と点を結んで線にする所から。


点Aを結ばれていない点Cと結ぶ。まだ基準がハッキリしないけど、新しく三角形を作ったから三角形定理ループにかけてみようか。

新しく作られた三角形を探す。辺ACに着目する。点Aだけに着目すれば良いかと思ったけど、辺ACに含まれる全ての点に着目した方が良い。

着目した点。繋がっている点。 見つけた三角形。
A。B、C、D。 ABC、ACD。
C。B、D。

triangle := [
 ABC : [BAC, AB, ABC, BC, ACB, AC],
 ACD : [CAD, AC, ACD, CD, ADC, AD]
]

新しく生まれた定義や対頂角や平行線をイコールのリストに登録する。特に無し。

三角形とイコールのリストを統合する。これでセットアップは完了。

triangle := [
 ABC : [BAC, AB[0], ABC, BC[0], ACB, AC],
 ACD : [CAD, AC, ACD, CD[0], ADC, AD]
]


三角形定理ループにかける。

1つの三角形に2つの同じ角。ある。

三角形。 結果。
ABC。 BAC = ACB。

angle := [
 0 : [BAC, ACB]
]

1つの三角形に2つの同じ辺。ある、が既に対応済み。

2つの三角形の2つの角が同じ、更には対応する1辺が同じ。無い。

2つの三角形の2辺とその間の角が同じ。無い。

2つの三角形の3辺が同じ。無い。


角の和と辺の和の段階に入る。

単純な角の和。点に着目して発見する。

着目した点。 角の和。
A。 BAC[0] + CAD = BAD。
C。 ACB[0] + ACD = BCD。

三角形の外角。三角形に着目する。しかし、外角が発生するような三角形は無し。

式の2つが同じだったら残りの1つも同じだが、無し。

辺の和も無し。


っと、ここで気付いたが、168°だとか実際の数字が出てくると、内角が合計180°というのも考えるべきだな。
「角1 + 角2 + 角3 = 180」という式で表すか。

BAC[0] + ABC + ACB[0] = 180
CAD + ACD + ADC = 180

いやしかもABC = 168なのか。

angle := [
 0 : [BAC, ACB, 6],
 1 : [ABC, 168],
 2 : [BCD, 108]
]

こんな感じの表記で良いだろうか。


そうすると、

[0] + CAD = BAD
[0] + ACD = [2]

6 + ACD = 108、ACD = 102

angle := [
 0 : [BAC, ACB, 6],
 1 : [ABC, 168],
 2 : [BCD, 108],
 3 : [ACD, 102]
]

CAD + ACD[3] + ADC = 180

まあでもこんなもんか。

triangle := [
 ABC : [BAC[0], AB[0], ABC[1], BC[0], ACB[0], AC],
 ACD : [CAD, AC, ACD[3], CD[0], ADC, AD]
]

三角形定理ループにかけても特に影響無し。

判明したものが辺ACに関するものばかりだったんで、この作図には意味が無かった。

ちょっと初めてだったんでゴチャゴチャした。休憩(2回目)。
 


じゃあ次は、点BとDを結ぶ。

着目した点。繋がっている点。 発見した三角形。
B。A、C、D。 ABD、BCD。
D。A、C。

triangle := [
 ABD : [BAD, AB, ABD, BD, ADB, AD],
 BCD : [CBD, BC, BCD, CD, BDC, BD]
]

新しく追加された定義や対頂角や平行線は無し。

元々のイコールのリストと統合。

triangle := [
 ABD : [BAD, AB[0], ABD, BD, ADB, AD],
 BCD : [CBD, BC[0], BCD, CD[0], BDC, BD]
]

これでセットアップは完了。


三角形定理ループにかける。

1つの三角形の2角が同じ。無い。

1つの三角形の2辺が同じ。ある。

三角形。 結果。
BCD。 CBD = BDC。

ああ、そうだ、実際の数字とのイコールも登録しておくんだった。

angle := [
 0 : [CBD, BDC],
 1 : [ABC, 168],
 2 : [BCD, 108]
]

最初に戻って、1つの三角形の2角が同じ。あるが対応済み。

1つの三角形の2辺が同じ。あるが対応済み。

2つの三角形の2角が同じ、更には対応する1辺が同じ。無い。

2つの三角形の2辺とその間の角が同じ。無い。

2つの三角形の3辺が同じ。無い。


角の和と辺の和の段階に入る。

単純な角の和。

着目した点。 角の和。
B。 ABD + CBD[0] = ABC[1]。
D。 BDC[0] + ADB = ADC。

三角形の内角や外角。

着目した三角形。 角の和。
ABD。 BAD + ABD + ADB = 180。
ABD。 BAD + ADB = CBD[0]。
BCD。 CBD[0] + BCD[2] + BDC[0] = 180。
BCD。 BCD[2] + BDC[0] = ABD。

統合する。[1] = 168、[2] = 108。

ABD + [0] = 168
[0] + ADB = ADC
BAD + ADB = [0]
108 + [0] = ABD

BAD + ABD + ADB = 180
[0] + 108 + [0] = 180


「[0] + 108 + [0] = 180」より、[0] = 36。
うーん、しかしそうすると、「ABD + 36 = 168」と「108 + 36 = ABD」で矛盾が出るな。


いや、この問題は2ステップの作図が必要で、このままだと膨大な作業量になってしまうので、部分的にでも自動化を模索したい。今回はここで切る。