読んでた人が買わなくて良いように、書き加えた分を書いておく。まあ俺自身はあまり自分の日記に感心しないというか、本だけ読むのが一番良いと思うけど。俺自身は道教と西洋哲学から半々というか、哲学におけるシャーマニズムを批判しているという点でできれば第三極というつもりだけど、他の哲学者だったらこれだけが正式な著作で、後は日記とか書簡の類なのだと思うし。まあ、アニメで例えると日記は設定集みたいなもので、本の本文がテレビ版で、目次だけ読むのが劇場版という感じになるんだと思うけど。読まれて嬉しいのはせいぜいテレビ版までで、設定集は残してはおくけど成果物というつもりは無いんで読まれてもあんまり嬉しくは無いというか、いや東浩紀氏のデータベース理論とかそういう話では無くて。
『現代の社会と思想について』
「資本主義と学問」
・貨幣論
・学校論
・プロフェッショナリズム批判
・論文批判
「国家」
・岡田斗司夫「4タイプ」・外山恒一「イデオロギーX」の図解
・東アジア論
・投票批判
・町内会から国連へ 合意による国家形成
「近代」
・近代とは、ポストモダンとは 田舎論
・知性批判
・精神性批判
・現代アート論、虫の模様
・n点透視図法と後ろの視界の想像
・色彩論
・植物の葉と枝の形の相関性
・上半身の筋肉は手を動かすために付いている
・文化人類学的批評
『そもそも思想とは何か』
・国家と宗教と思想とシャーマニズムと天才
・あらゆる政治的対立には相手は嘘を付くという認識が前提にある
・遠慮してはいけない 1対複数 出る杭では無い まず負けるということ
・人間を信じてはならないということ
・人間観が自分の文化圏で閉じている問題、子供
・警察、見せしめ、抑止力としての地獄
・ゲシュタルトは脳神経のルール
・太った萌え絵、ネオテニー、ゲシュタルト
・人間の動物への嫌悪は口臭と結び付いている
・道徳と顔、自然裁判
・集合的無意識について
・半信半疑
『人間のデッドエンドについて』
・文明論
・退屈、面白い楽しい美しい
・趣味を2種類
・幸福とは現状維持のための感情
・遺伝子と自分は他者
目次の上の方
『この本はhttps://sasaharayuugo.net/kurorekishi/facebook1-tumblr-facebook2.htmlから思想的な部分を抜き出して、これまた思想的な枠組みを用意してまとめたものだ。1章では現代の思想について、2章ではそもそも思想とは何かについて、3章では主に退屈について分析している。元々バラバラの文章で順番など無いし、目次を見て予想できる所は同じことが書いてあるはずなので、目次を見て「ん?」と思った所だけを開くような読み方をして貰えると嬉しい。』
プロフェッショナリズム批判
『確かに仕事においては分業した方が効率が良いのかもしれないが、趣味においては必ずしも分業する必要は無いし、仕事でも分業して自分の領分に集中するのが謙虚さだとまでになると、これは一つの思想だろう。
学問がここまで専門化されていったのは、学問が大学に属するようになった19世紀以降のことで、それまでは一人の人間が様々なジャンルに手を出していくのは当たり前のことだった。学問は色々なものを扱える、普遍化への指向を持つからこそ学問だとも言えるわけで、もし大学という社会的機関が無ければ、学問はここまで専門化はしていなかったのではないだろうか。
もっと言えば、プロフェッショナリズムとは社会人主義や大学人主義のことだ。』
論文批判
『論文には、特に初期のhtmlのような書式としての側面と、用意された前提から結論を弾き出すような論理構造としての側面がある。』
岡田斗司夫「4タイプ」・外山恒一「イデオロギーX」の図解
『岡田斗司夫の「4タイプ」とは、社会生物としての人間の本能を、外向性・内向性/抽象的・具体的の2軸によって、注目型・司令型・法則型・理想型の4タイプに分類する理論だ。グラフ内の位置で右回りに当たるタイプに対しては憧憬を、左回りに当たるタイプに対しては軽視する傾向があり、また対角線上に当たるタイプとは、欲求の価値観が重ならないため、長期的に良好な関係を持つことができるとしている。(『社会生物本能の4タイプ』 https://four-types.appspot.com/About4types.html)
一方、外山恒一の「イデオロギーX」とは、政治的立場を、1995年のオウム事件あるいは2001年の米同時多発テロに根本的に規定された世界内戦の時代に対応して、物質的価値・精神的価値/感性・理性の2軸によって、体制側・左翼・X・右翼の4つに分類し、外山恒一氏自身をX(アナキズムあるいはファシズム)に位置付ける理論だ。(『まったく新しい左右対立 ──イデオロギーX──』 http://www.warewaredan.com/ideologyx.html
私の考えでは、この二つの理論は同じ構造を持っており、このように図解される。
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特にトランプが当選した2016年アメリカ大統領選挙の頃から、世界各国で上下による政治対立が激しくなっているが、左右対立と上下対立を合わせれば、4すくみになって単なる対立では無くなる。そういう融和の可能性があっても良いのではないだろうか。』
投票批判
『代議制民主主義の投票は、実効的側面があるアンケートの一種だ。そのアンケート結果によって、例えば人気投票だったらそのキャラや人のグッズが出たり、何かの選択肢が変わったりする、そういうアンケートの一種だと考えることができる。
人々は、いや私は、そういうアンケートに答える時には、自分の中で戯れだと考えている。ある程度以上のサンプル数があれば、一票が結果に影響を与えることは無くなり、つまりアンケートとして確かなものになるので、自分の一票が結果に影響を与えると考えると、不合理になってしまうからだ。
1票が持つ実効的な意味だけに着目すると、1票差で結果が決まる確率の最大値は、投票総数が「N×2 + 1」の時、参加者のそれぞれが候補者A・Bに2分の1の確率で投票する時に確率が最大になるとして、「1 / √(N×π)」という結果になるらしい。計算過程としては、最初の半分が一方に、それ以降がもう一方に投票する場合が「2のN乗分の1」で、しかし半々になるのはそれ一通りで無く何通りもあるので、スターリングの公式だとかでそうなるらしい。
有権者の数が40万1人の場合は、「1/√(200000×3.14)」で「0.00126188616」。792回やって1回という確率らしい、「√(200000×3.14)」で出せるみたいだけど。
これを多いと考えるか少ないと考えるかは、その人によるかもしれない。皆が完全にどちらでも良いと考えている時に、千年以上に一度の確率で1票差で右か左の候補者に勝たせるために、投票に行く。しかしおそらく、多くの人間はそのように考えて投票に行っているわけでは無いだろう。
1票が持つアンケートとしての意味だけに着目すると、事態はもっと悪くなり、一票差で勝ったり負けたりした所で、偶然だと考えなければ非合理になってしまう。つまり何が起こっても意味が無いことが最初から約束されてしまう。
しかし読者はこう考えるのではないだろうか、つまりしかし確かに投票結果が政治に影響を与えており、私は少なくともその一億分の一だけは結果に影響を与えているのだ、と。
一票には意味があるのか、それとも一票には意味が無いのか。私の考えでは、これは視点のスケールの問題で、視点のスケールを変えれば意味があるとも言えるし、無いとも言える。
自分一人のスケールで考えると、たとえ全体の目的のことを考えたとしても、投票には意味が無い。統計的に誤差なのだから、意味が無いと考えるべきだ。
しかし全体のスケールで考えると、その中のパーツやサンプルとして、投票には意味があると言える。確かに因果関係の中に存在しているのだから、意味がある。
代議制民主主義は、全体の目的では無く、その全体の視点によって成立している。あるいは、そもそもその全体の視点がルソーの一般意思なのかもしれない。』
知性批判
『知性とはつまり頭の良さのことだ。良さとは評価だ。評価は本当は文脈や局面で変わってくる。
もしIQという一元的な評価が正しければ、もっと高IQだけが所属できるメンサの会員が様々なジャンルで活躍しているはずだし、様々なジャンルで活躍している人達のIQはもっと高いはずだ。』
精神性批判
『精神性への批判も同じような話だ。』
現代アート論、虫の模様
『芸術家は普遍的な美を扱っているという自負を持っているが、当事者である鳥以外に求愛ダンスの良し悪しが分かるのだろうか、人間以外に人間の顔の良し悪しが分かるのだろうか、芸術家に歌舞伎マニア以上に歌舞伎の良し悪しが分かると言えるだろうか。
なぜ、その側面を見ないようにしてきたのだろうか。』
植物の葉と枝の形の相関性
『もちろん一通りには弾き出せないが、あの緑は葉緑体の緑で、光合成に最適化されているのだから、当たり前の話ではある。』
上半身の筋肉は手を動かすために付いている
『元々は前脚だったのだから、これも当たり前の話かもしれない。』
警察、見せしめ、抑止力としての地獄
『キリスト教が普及したから衰退したようにも語られるが、そうでは無く逆に、衰退したからキリスト教が普及したのではないだろうか。』
太った萌え絵、ネオテニー、ゲシュタルト
『いや、ああいう美人画は中国発祥みたいだ。
また、江戸時代の美人の条件の一つに「柳腰」、つまり柳の木のように細い腰があったりするようで、それには矛盾するかもしれない。
能も、演目時間が変化したのは主に江戸時代にかけてで、半分になった程度らしい。
しかし、例として面白いというか的確だったので掲載した。』
集合的無意識について
『村上春樹氏の不思議現象については『東京奇譚集』の『偶然の旅人』を参考にして貰いたい。
あと、統合失調症は、見た目が同じような現象でも複数の原因があり得るし、脳が病気になることもあり得る。』
退屈、面白い楽しい美しい
『楽しさは、探索やランダム性や適当さや元気さに関係しているように見える。』
遺伝子と自分は他者
『快とか不快はYes・Noスイッチみたいなもので、もし遺伝子からの情報伝達がもっとこまかければ、必要無いんじゃないか。』
まあ、書き表すべきかは分からなかったけど。どうも東洋や西洋の哲学の影響で気にする人が多いみたいなんで、俺も無意識にそういうことをやってしまっているとも思うし。シャーマニズムを批判している所が自分としては新しいと思ってるんで、それはジャンルが違うと思ってるんで。